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秋田県ミニ独立国
小野小町の絵本を制作
❖1987年(昭和62年)
この本は雄勝町の人達に、雄勝町で生まれたと伝えられる小野小町をもっと知ってもらおうと製作されました。
出版の資金作りは無償還国債なるものを作り、小町の国に募金していただいた方に領収書代わりに配布すると言うものです。
物語は、小町が出羽国福富の荘(旧雄勝町小野、現湯沢市小野)で生まれ、宮中で容姿の美しさと歌才で知られるようになり、再び故郷へ帰って92歳で亡くなるまでを、研究書や町に伝わる言い伝えなどを中心に自分たちで構成しました。
従来の"才色兼備"というイメージだけでなく、深草少将との恋愛物語や、父の小野良実との心の交流などのエピソードも織り交ぜ、人 を愛し、青春に傷ついた人間らしい小町像を浮かび上がらせています。
やさしい文章と、秋田市在住の洋画家金子義償さんによるやわらかな感じの絵で収めました。
念願の絵本が完成し、当時、秋田県の新聞でも紹介されました。
<下記、秋田さきがけ新聞 1987年11月30日の記事より抜粋>
雄勝町のミニ独立国「小町の国」(佐藤芳嗣代表) は、同町で生まれたといわれる平安前期の歌人、小野小町の絵本を1年がかりで完成、29日に出版記念パーティーを開いた。12月中旬に町内の全戸に無料配布する。
「小町の国」は昨年11月、小野小町を起爆剤にして町興しをしようと、町内の若者30人が集まって結成した。
小町の絵本作りは結成以来、一丸となってとなって取り組んできた事業。会員たちが協力して小町に関する資料を集めたほか、小町堂 など町内ゆかりの地を実際に訪ねて、出来るだけ忠実に物語をつくった。挿絵は秋田市の画家金子義償さんに描いてもらった。
こうして完成した絵本は縦、横ほぼ20センチの正方形で全40ページ。「今から千年以上も昔のことです」という書き出しで、小町の生涯を分りやすく描いている。会話には方言を織り込んでおり、楽しく読める。
同町の横堀温泉で開かれた記念パーティーには会員ら70人が出席。絵本とともに完成した国歌や国旗も披露された。
町内の三千世帯全部に町役場を通じて無料配布するほか、同町や湯沢市の書店などでも販売する。
<下記、秋田讀賣新聞 1987年11月30日の記事>
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